自動検査の考え方

対象となる検査

  • 生産量が多く、人海戦術で検査しているもの
  • 人による目視検査で大きな工数を消費している
  • 精度が高く、顕微鏡などを使用して大きな工数を消費しているもの
  • 検査範囲が広いため、人の検査に適さないもの
  • 人の検査ではどうしても見逃してしまい、流出してしまうもの

対象ワーク

5~50mm程度の小さい部品

5~50mm程度の小さい部品
  • 量産部品で数が多い
    → 月生産 数万個~数10万個
  • 外観検査、寸法検査
1~10m程度の長尺の丸棒、角材など

1~10m程度の長尺の丸棒、角材など
  • 検査範囲が広く人の検査に適さないもの
  • キズ、汚れ、μm単位の突起等の検査
  • 外径測定
ロール状の線材、板材

ロール状の線材、板材
  • 検査範囲が広く人の検査に適さないもの
  • キズ、汚れの検査
  • たわみの検査
精密な寸法検査が必要なもの

精密な寸法検査が必要なもの
  • 金属加工部品等で公差±0.01mmなど精密なもの
  • 角度等人の検査に適さないもの
  • 測定顕微鏡を使って時間がかかっているもの

検査内容

外観検査


  1. 量産部品の外観検査
    • 月産数10万個の量産部品等
    • キズ、ダコン、汚れ、変色等
    • カメラで検出して自動仕分け
  2. パーツフィーダーで扱える小さい部品等
  3. 棒材などの長いもの
  4. μm単位の突起検査等
  5. エンドミル、工具チップの専用検査機等
  6. 表面粗さの測定等

寸法検査


  • 測定顕微鏡で測定している精密部品
  • カメラ、レーザー等でμm単位の精密計測を自動で行います

  • 公差0.01mm台の加工部品の寸法検査の自動化
  • 公差0.1mm台の加工部品の寸法検査の自動化

外観検査の原理

キズ、ダコン、汚れ等は平坦な平面(あるいは曲面)上に平坦ではないキズ、ダコン、汚れ等が存在していることによるものです。
これらは光学的には照明光の反射の方向の乱れで検出できます。

図1 ワーク表面が平坦な場合

図1 ワーク表面が平坦な場合

斜めから入射した光は上図のように反射し、カメラには入射しません。したがって、カメラの画像は暗いものになります。

図2 ダコンがある場合

図2 ダコンがある場合

斜めから入射した光は図のように直接カメラに入射する光が存在します。 カメラの画像ではダコンの部分のみ明るく光ることになります。 このような形で表面の乱れを画像で検出できます。

これはもっとも基本的、原理的な場合ですが実際には照明、画像処理などでさらに色々な工夫が必要になります。
弊社では個々のワーク、検査のご要望に応じて特注で対応させていただきます。
弊社のコア技術はソフト開発ですので画像処理プログラムの開発では大きな力を発揮できます。

画像を使った外観検査では
特に画像処理プログラムが成否のカギを握っています。

ダコン検出例

ワーク
断面が平面の場合
赤枠部分がダコン
断面がV字型の溝がある場合

上の画像で赤枠部分がダコンですが、ダコン以外にもワークのエッジ部分が光っています。汎用画像検査ソフトではこのエッジ部分もNG品と誤判定してしまい、実用の画像検査ではほとんどの場合こういう問題があります。
特注の画像検査ソフトではこのワークに対する対応として、これらエッジをNG品としないことが容易に可能です。

寸法検査の原理

画像を使った寸法測定ではμm(ミクロン)単位の精度まで可能です。
製品の寸法公差のレベルに応じて測定精度を設定し、対応するカメラ、レンズ、照明を選択します。
たとえば、つぎの例を考えます

  1. 寸法公差が±0.02mmとします。
  2. 対応する測定精度は公差の1/5~1/10程度に設定します。
    1/5とすれば測定精度は±0.004mm(±4μm)必要になります。
  3. この場合測定された寸法が-0.016~+0.016mmの範囲内はOKとすることになります。
    寸法公差全範囲の80%の範囲でOKと判断できることになります。
    公差の1/10の精度に設定すれば90%の範囲でOKと判断できることになります。

それでは画像を使用した測定の原理について説明します。

図1 寸法測定の構成

図1 寸法測定の構成

照明をカメラの反対側に置いた透過照明を使用します。
レンズとしては通常のレンズではなく、寸法測定に適したテレセンレンズを使用。通常のレンズはレンズとワークの距離が変化すると画像の大きさが変化します。 一方、テレセンレンズはこれが変化しない構造になっています。寸法測定ではこのテレセンレンズを使用しないと正確な寸法が出ません
照明から出た光はピンゲージに当たった後レンズを通してカメラに入ります。

図2 寸法測定の画像

図2 寸法測定の画像

図3 超平行光の照明を使用。1μmレベルの精度を達成した画像

図3 超平行光の照明を使用して
1μm(ミクロン)レベルの精度を達成した画像

左図2はカメラの画像です。
中央部はピンゲージの陰で暗くなり、上下端は照明の光が直接入りますので明るくなります。
寸法は上下のエッジ間の距離となります。
ここで測定精度はエッジのシャープ度で決まります。エッジがぼけているとその分精度が悪くなります。
エッジのボケを少なくするために平行光の照明を使用します。

御社の部品に合わせて特注対応いたします。

自動検査装置

  • オートマーカー
  • 加工直後画像検査装置
  • 被写界深度合成
  • 光切断による断面測定装置
  • レーザー測定装置
  • エアコン室内機欠品自動検査装置
  • 小型部品の寸法・キズ自動検査装置
  • アルミ部品の溝内異物検査
  • スナップリング寸法自動検査
  • 足型測定機・ペドスケール2
  • X線による内部構造検査
検査自動化の考え方
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なぜ画像検査(外観検査・寸法検査)の自動化がうまくいかないのか?
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